choccy’s メモ

国際離婚・調停の備忘録

3回目の調停ー婚姻費用ー


今回は3回目の調停の様子と、婚姻費用について書きたいと思います。

 

※調停中の事を書く時は元夫を夫と記述してます。

 

3回目の調停の始まり

 

前回の全く何も進展の無かった調停からまた一ヶ月。今日こそは何か話し合いができればいいなと思いながら気分も足取りも重く裁判所へやってきました。連日色々な相談や不安を弁護士にメールをしていたのですが、私の落ち込み具合を見て弁護士が

 

「今日はとにかく婚姻費用について話をしたいと思います。」

 

と調停委員に強めに言ってくれました。

 

婚姻費用とは

 

婚姻費用とは、結婚生活において衣食住や子供の養育費など夫婦が共同生活を送るうえで必要な費用の総称です。いわゆる生活費です。

法律上、夫婦には負担能力(収入)に応じて、婚姻費用を分担する義務があります。この義務は別居していても、離婚に関する話し合いや、調停中でも法律上は夫婦であることには変わりませんので、収入のある方は収入の低い(あるいは収入の無い)方に生活費を渡さなくてはいけません。これは離婚が成立するまで続きます

 

婚姻費用の決め方

 

この婚姻費用はお互いの収入と子供の年齢・人数を元に算出されます。ちゃんと算出表があり、裁判所にも資料はあります。ですがお互いが同意すればその算出表の金額の範囲内でなくとも問題ありません。

例えば、夫が月30万の収入、妻が無収入で子供が1人いる場合の婚姻費用は算出表では月3~5万円が妥当だけれど、妻が10万請求して夫が同意すれば婚姻費用は10万円になり、夫側は離婚が成立するまでこの婚姻費用を支払い続けなくてはいけません。調停でこの婚姻費用について取り決めすると合意後に条件を記した調停調書が作成され、この調停調書は法的効力を持ちます

つまり婚姻費用が支払ってもらえなかった場合に手続きをすれば、相手の財産や給料を差し押さえる事ができるのです。これを強制執行と言います。

 

私の場合

 

この当時、どちらがお金を持っているかと言えば明らかに私の方でした。夫には言っていませんが私には多少の貯金がありました。夫は貯金無しです。ですが預貯金の申告は口頭で良かったので私も貯金は無いと言う事にしました。仕事をしていた時は私の収入の方が夫より高かったのですが、婚姻費用の算出はあくまでその時点での収入を元に計算されます。

その当時私は仕事をしておらず無収入でした。夫は毎月不安定ではありますが月の収入は20~25万くらいだったと思います。それを元に算出した婚姻費用が3~5万でした。

 

強気の弁護士

 

 

「では婚姻費用5万でお願いします。」

 

と私の弁護士が強めに調停委員に言ってくれました。これから調停委員が夫と話し合いをするのですが、毎月5万は夫にとってはかなりの負担です。ですが、慰謝料でもこのような金額は最初は高めに提示するものですし、良くて払ってくれて3万円かな。と思っていたらなぜか意外にあっさりと夫側は毎月5万円の婚姻費用を負担することを了承しました。前回の調停で全く進まなかった話が今回はあっさり夫が生活費を毎月払うことを認めたのです。しかもこれは離婚が成立するまで払ってもらえます。調停委員もびっくりで

「彼の気が変わる前に調停調書を急いで作成してきます。」

と退出していきました。裁判所の一階の事務所で調書を作成するためです。

 

調停調書

 

調書と聞くと私は警察の取調べの際に作る書類を思い浮かべてしまいますが、調停調書は調停が成立した際に、合意した内容をまとめて記載した文書です。基本的に調書を作成後の不服申し立てはできません。作成してしまうと「やっぱり5万は高い」と言っても変更できません。だから調停委員の男性が夫の気が変わる前に急いで調書を作成しに行ってくれたんですね。本当に感謝でした。

 

調書には

①事件の表示(事件番号とその種類)

②期日(成立した日時、何時何分まで記載します)

③場所(調停を行った裁判所の名前)

④裁判官、調停委員、裁判所書記官の名前

⑤当事者及びその出頭状況(私と夫の名前、住所、弁護士が同席の場合は弁護士の名前)

⑥調停で合意した内容の詳細

 が記載されていました。

①は調停調停など裁判所で扱う事柄を総称して「事件」と呼びます。最初はちょっとびっくりしましたが。そして事件毎に個別に番号が割り当てられます。

例)平成〇年(家ア)第〇〇〇〇号 婚姻費用分担調停申立事件

もし今後、給料差し押さえの強制執行を手続きをする場合はこの調停調書が必要になります。

⑥に婚姻費用として毎月5万円を支払うことや私の振込み先の詳細が書いてありました。

 

3回目の調停を終えて

離婚については進展がありませんでしたが、今回の調停で婚姻費用が決まったことで1回目、2回目の調停と比べたら気持ちはすごく楽になりました。今後離婚が成立するまでは毎月5万の支払いがあるので、このお金を弁護士費用にあてることができます。協議離婚でしたらここまでお金も時間もかかりませんでしたが・・・。

離婚は結婚の何倍も体力を使う

よく聞く言葉ですが、本当にその通りだと思いました。私の場合は時間もお金も気力も使いました。

 

時間・・・1年弱(結婚時は数時間)

お金・・・約50万(結婚時ほぼゼロ)

体力・・・言葉に表せないくらい(うつ、拒食症を発症)

 

今回の進展具合からもしかしたら今後もスムーズに調停が進んでくれるのではないかと、暗闇に一筋の光が見えたような気がしました。