choccy’s メモ

国際離婚・調停の備忘録

養育費を元夫に支払ってもらえない場合①内容証明、履行勧告


離婚して養育費をきちんと支払っている父親はごくわずかだと言われています。

離婚された方のほとんどは協議離婚のため、養育費に関する書類(公正証書等)を作成している方は少数だと思います。しかしこの法的効力をもつ書類がないと元配偶者に養育費の支払いをさせるのはほぼ不可能になってしまいます。

 

公正証書や調停調書で養育費について取り決めをしてるにも関わらず、養育費を払ってもらえない場合の対処方法について説明したいと思います。

①まずは直接催促

電話では記録に残りませんので、メールやラインなどで「養育費を払ってください。」と催促します。この時具体的に「〇月〇日までに〇万円払ってください。」と依頼する必要があります。期日をしっかり指定し、記録に残すことが重要になります。

 

②次に内容証明

メールなどで催促してすぐ払ってくれるような相手だったら良いのですが、それでも払ってくれない場合は次に内容証明を送ります。

内容証明とは「いつ、誰が誰に対して、どんな書類を送ったか」を郵便局が証明してくれる書類です。3部同じ書類を作成し、相手方と郵便局、自分に書留郵便で配達されます。

費用は普通郵便料金の84円に、配達証明料金310円、書留料金435円と内容証明料の440円が加算されます。費用の詳細はこちら

手紙やメールでの催促には応じなかったけれど、この内容証明を送ると養育費を払ってくれたと言うケースは割とあります。特に弁護士などが代理人として内容証明の差出人になっている場合は心理的なプレッシャーを相手に与えることができるからです。

 ③それでも応じない時は履行勧告

履行勧告とは裁判所で決めた調停などの約束を守らない人に対して、その約束を守るように裁判所が促す警告、いわゆるイエローカードのようなものです。

履行勧告の手続き方法は

①養育費の取り決めをした家庭裁判所に行き、申出書に必要事項を記入します。この申出書には相手(義務者、支払いをしなければいけない人)の住所を記入しなければいけません。履行勧告は原則として郵送で書類を送り、支払いを促すためです。

②調停調書(コピー可)と支払い状況の分かる資料を持参して、養育費の未払いが発生していることを証明する(調停調書の養育費の金額と預金通帳を照らし合わせる)。調停調書には〇〇銀行の誰宛にいくら支払うと言う旨の記載がされていますので、養育費の振込み先の預金通帳を見せれば養育費が振り込まれていないことが証明できます。

履行勧告の手続きに費用はかかりません。原則無料でできます。しかし、この履行勧告には法的効力がありません。裁判所から「調停で決めた通りに養育費きちんと払ってくださいね。」と言う書類での注意、催促になります。この履行勧告に従わなくとも法的に罰せられると言うことはありません。また給料を差し押さえることもできません。

 

すぐに強制執行はできないのか

手間や時間のかかる内容証明や履行勧告をせずに、養育費の支払いが滞った時点で給料の差し押さえ(強制執行)をしたいと思うかもしれませんが、養育費の未払いが発生したからと言って、即座に給料差し押さえすることはできません。上の①~③の段階を経て、それでも相手が養育費を支払わない場合に強制執行の手続きができるようになります。

私も即座に給料を差し押さえするつもりでしたが、弁護士に強制執行の手続き方法を確認すると①~③の段階を踏むように言われてしまいました。

悪いのは養育費を払わない相手なのに、こちらが時間と手間を費やして 色々な手続きをしなくてはいけないのは納得できませんよね。

 

最終手段である強制執行については別の記事で詳しく説明したいと思います。